functions.php の編集方法（初心者向け）

WordPressのテーマ開発やカスタマイズを進める際、もっともよく使うファイルのひとつが functions.php です。テーマに独自の機能を追加したり、不要な機能を停止したりする役割を持ちます。
本記事では、functions.php の基本的な編集方法と、作業時に気を付けたいポイントを初心者向けに解説します。

内部リンク：テーマファイル全体の役割を整理したい場合は、WordPressでテーマファイルを編集する方法（初心者向け） も参考になります。

functions.phpとは？

functions.php は、テーマごとに存在する PHP ファイルで、テーマ全体に関わる処理をまとめる場所です。
プラグインのように機能を追加できるため「テーマ専用の小さなプラグイン」と呼ばれることもあります。

主にできること

• CSS や JavaScript の登録・読み込み
  → 参考：wp_enqueue_style / wp_enqueue_script の基本
• カスタムメニューやサムネイル（アイキャッチ画像）の有効化
• WordPress の初期設定の変更
• ウィジェットエリアの追加
• 不要な機能の停止（emoji、絵文字スクリプトなど）

functions.php を編集する前の準備

1. 子テーマの作成がおすすめ

親テーマの functions.php を編集すると、テーマ更新で変更が消えてしまう可能性があります。
そのため、編集は 子テーマの functions.php に追加することが推奨されます。

内部リンク：詳しくは 子テーマの作り方と functions.php を安全に編集する手順 が参考になります。

2. バックアップを取っておく

functions.php のエラーは画面が真っ白になる「PHPエラー」を引き起こすことがあります。
念のため、テーマフォルダごとバックアップを用意しておくと安全です。

編集方法①：管理画面から編集する

WordPress管理画面の 外観 ＞ テーマファイルエディター から functions.php を開いて編集できます。

メリット

• ブラウザだけで手軽に編集できる
• FTPソフトが不要

デメリット

• 保存した瞬間にエラーが出る可能性がある
• エラー発生時に元に戻しにくい

初心者の場合はエラー復旧が難しいため、管理画面からの編集は慎重な操作が求められます。

編集方法②：FTPソフトを使って編集する（推奨）

エラーが起きてもファイルを戻しやすいことから、もっとも安全な方法とされています。

手順

1. FTPソフト（FileZilla など）でサーバーに接続
2. /wp-content/themes/テーマ名/ に移動
3. functions.php をローカルへダウンロード
4. テキストエディタ（VS Code など）で編集
5. 保存後、サーバーへアップロード

この方法のメリット

• エラーが出ても元のファイルを戻すだけで復旧できる
• コード補完が使えるためミスが少ない
• 子テーマの編集も簡単

functions.php 編集時によくある注意点

1. PHPの開閉タグを正しく保つ

functions.php の先頭には <?php が書かれています。
閉じタグ ?> を付けない のがWordPressの慣習です。

2. コードを追加するときは「追記」で行う

既存コードを書き換えるとテーマ動作に影響することがあります。
カスタマイズは、基本的に「最後に追記する」形が安全です。

3. セミコロンのつけ忘れに注意

PHPはセミコロンが必要な言語です。
1つ抜けているだけで画面が真っ白になることがあります。

4. 関数名が重複しないようにする

テーマやプラグインで同じ関数名があるとエラーになります。
mytheme_ などテーマ名の接頭辞をつけると安全です。

functions.php によく追加されるコード例

スタイルシートとJSを読み込む

function mytheme_enqueue_scripts() {
    wp_enqueue_style('main-style', get_stylesheet_uri());
    wp_enqueue_script('main-js', get_template_directory_uri() . '/js/main.js', array(), false, true);
}
add_action('wp_enqueue_scripts', 'mytheme_enqueue_scripts');

アイキャッチ画像を有効化する

add_theme_support('post-thumbnails');

メニュー機能を登録する

function mytheme_register_menus() {
    register_nav_menus(array(
        'header' => 'ヘッダーメニュー',
        'footer' => 'フッターメニュー',
    ));
}
add_action('init', 'mytheme_register_menus');

エラーが出たときの対処方法

functions.php の編集後、画面が真っ白になることがあります。
次の手順で確認すると復旧しやすくなります。

1. FTPで元のファイルに戻す

バックアップしておいたファイルをアップロードすると復旧できます。

2. WP_DEBUGを使って原因を確認する

原因特定が必要な場合はデバッグモードが役立ちます。

内部リンク：デバッグ方法は WP_DEBUG の有効化とエラーログの見方 が参考になります。

まとめ

functions.php はテーマに新しい機能を追加したり、不要な機能を調整したりするための重要なファイルです。
初心者でも基本を理解すれば安全に編集できますが、次の点を意識しておくと安心です。

• 子テーマで編集する
• エラー復旧しやすいFTP編集が安全
• PHPの文法を正しく書く
• 関数名の重複に注意する

functions.php の編集はサイト全体のカスタマイズに直結するため、正しい手順で進めることが大切です。