Web制作者のためのGit入門|実際の制作フローで解説

Web制作の現場では、ファイル数が多く、修正履歴の管理や作業のやり直しが頻繁に発生します。
そのような環境で欠かせないのが、バージョン管理システムGitです。
本記事では、Gitの基礎知識を整理したうえで、Web制作の実際の制作フローに沿ってGitの使い方を解説します。
Git未経験者でも全体像を理解でき、導入後に迷わず運用できる構成としています。
Contents
Gitとは何か
Gitとは、ファイルの変更履歴を記録・管理するための分散型バージョン管理システムです。
HTML・CSS・JavaScript・PHPなどのテキストファイルと相性が良く、Web制作との親和性が高いことが特徴です。
Gitを使うことで、次のような管理が可能になります。
- いつ・どこを・どのように変更したかを履歴として残す
- 以前の状態へ安全に戻す
- 複数の作業を並行して進める
Web制作者がGitを使うべき理由
Web制作では、次のような状況が頻繁に発生します。
- デザイン修正によるCSSの試行錯誤
- JavaScriptの挙動調整
- WordPressテーマやテンプレートの改修
- 過去の実装に戻したくなる場面
Gitを導入すると、これらを感覚ではなく履歴として管理できるようになります。
特に個人制作や少人数制作においても、Gitは次の点で有効です。
- 修正の区切りを明確にできる
- 作業ミスの影響範囲を最小限に抑えられる
- 制作過程そのものを資産として残せる
Gitを使ったWeb制作の基本フロー
ここからは、Web制作で一般的なGitの制作フローを順を追って解説します。
制作フロー全体の流れ
Web制作におけるGit運用は、次の流れで進みます。
- リポジトリを作成する
- ファイルを編集する
- 変更内容をステージングする
- コミットして履歴として保存する
- 必要に応じてブランチを使い分ける
それぞれを詳しく見ていきます。
① リポジトリを作成する
Git管理を始めるには、まずリポジトリを作成します。
リポジトリとは、Gitで履歴管理を行うための作業単位です。
Web制作では、次のような単位で作成されることが一般的です。
- Webサイト一式
- WordPressテーマ
- プロジェクト単位の制作フォルダ
リポジトリ作成時点では、まだ履歴は存在しません。
② ファイルを編集する
HTMLやCSS、JavaScript、PHPなどのファイルを通常どおり編集します。
この段階では、Gitは自動的に変更内容を保存するわけではありません。
Gitは、変更が加えられたことを検知しているだけの状態です。
③ ステージングする
変更内容を履歴として保存する前に、ステージングエリアへ登録します。
ステージングとは、「この変更を次の履歴に含める」と明示的に指定する操作です。
この仕組みにより、次のような整理が可能になります。
- 意味のある変更だけをまとめて記録する
- 関係のない修正を分離する
ステージングエリアの役割については、
**「Gitのステージングエリアとは?役割と使い方を解説」**といった記事で詳しく解説されています。
④ コミットして履歴を残す
ステージングした変更を、コミットとして確定させます。
コミットとは、変更内容にメッセージを付けて履歴として保存する操作です。
Web制作では、次のような単位でコミットするのが一般的です。
- ヘッダーのレイアウト調整
- フッターのリンク修正
- JavaScriptの不具合修正
コミットメッセージの書き方を理解しておくと、履歴が読みやすくなります。
詳細は**「Gitコミットメッセージの書き方|読みやすい履歴を作るコツ」**などの解説が参考になります。
⑤ ブランチを使って作業を分ける
ブランチとは、作業の流れを分岐させる仕組みです。
既存のコードを壊さずに、新しい修正や試作を行う際に使われます。
Web制作では、次のような使い方が一般的です。
- 新機能追加用のブランチ
- デザイン調整用のブランチ
- 実験的な実装用のブランチ
ブランチ運用の基本は、
**「Gitのブランチとは何か|分岐の意味と使いどころ」**で体系的に理解できます。
Git導入時によくある注意点
Gitを導入する際には、いくつか注意点があります。
- 変更を溜め込みすぎない
- 意味のある単位でコミットする
- 完成状態だけでなく制作途中も記録する
Gitは「完成品を保存する道具」ではなく、
制作過程を安全に管理するための仕組みです。
Web制作とGitを組み合わせるメリットまとめ
GitをWeb制作に取り入れることで、次のようなメリットが得られます。
- 修正履歴を安全に管理できる
- 作業のやり直しに強くなる
- 制作フローが整理される
- 将来的な修正や保守が容易になる
個人制作・チーム制作を問わず、GitはWeb制作者にとって基礎スキルのひとつといえます。
まとめ
Gitは難しいツールと思われがちですが、
Web制作の流れに沿って理解すると、実用的で扱いやすい仕組みであることが分かります。
まずは、
- 変更 → ステージング → コミット
という基本の流れを身につけることが重要です。

