WordPress制作を想定したGitの基礎と実践的な使い方

WordPress制作では、テーマやプラグイン、CSSやPHPファイルなど、多くのファイルを継続的に編集します。
その中で、変更履歴を安全に管理し、作業ミスや巻き戻しに強い制作環境を作るために欠かせないのがGitです。
本記事では、WordPress制作を前提にしたGitの基礎知識から、実際の制作現場で使える運用方法までを段階的に解説します。
Gitを初めて使う方でも、仕組みから実践までを一通り理解できる構成になっています。
Contents
Gitとは何か
Gitは、ファイルの変更履歴を記録・管理するための分散型バージョン管理システムです。
いつ、どのファイルを、どのように変更したのかを履歴として残すことができます。
WordPress制作においてGitを導入することで、以下のようなメリットがあります。
- 変更履歴を時系列で管理できる
- 不具合発生時に過去の状態へ戻せる
- 修正内容を安全に試せる
- 制作途中の状態を整理して残せる
Gitの基本的な考え方については、以下の記事で詳しく解説しています。
WordPress制作でGitを使う理由
ファイル変更が多くなりやすい
WordPressでは、以下のように多様なファイルを扱います。
functions.php- テーマテンプレート(
header.php、single.phpなど) - CSS / JavaScript
- カスタムプラグイン
これらを直接上書きで管理していると、**「どこを変更したのか分からない」「元に戻せない」**といった問題が起きやすくなります。
Gitを使えば、変更単位ごとに履歴を残せるため、制作の安全性が大きく向上します。
Gitの基本構造を理解する
ワークツリー・ステージングエリア・リポジトリ
Gitでは、作業は次の3段階で管理されます。
- ワークツリー
実際にファイルを編集する場所 - ステージングエリア
履歴に残す変更を一時的にまとめる場所 - リポジトリ
確定した変更履歴が保存される場所
この流れを理解することが、Gitを正しく使うための第一歩です。
WordPress制作でのGit導入手順
1. プロジェクトをGit管理にする
WordPressテーマやプラグインのディレクトリで、Gitリポジトリを初期化します。
git initこれにより、そのディレクトリ配下のファイルをGitで管理できるようになります。
2. 管理対象を整理する(.gitignore)
WordPressでは、Gitで管理しないファイルも存在します。
wp-config.phpuploadsディレクトリ- キャッシュ・ログファイル
.gitignore を設定することで、不要なファイルを履歴に含めずに済みます。
Gitの基本操作(WordPress制作でよく使うもの)
ファイルの状態を確認する
git status現在の変更状況を確認するため、制作中は最もよく使うコマンドです。
変更をステージングする
git add .または、特定のファイルのみを指定することもできます。
git add functions.php変更を履歴として確定する
git commit -m "ヘッダー周りの処理を修正"コミットメッセージは、何を変更したのかが第三者にも分かる表現にすることが重要です。
コミットの考え方については、以下の記事も参考になります。
ブランチを使った安全な制作フロー
ブランチとは
ブランチは、作業を分岐させる仕組みです。
本番用のコードに影響を与えず、新しい修正や機能追加を試すことができます。
WordPress制作での基本的なブランチ運用例
main:安定版(公開中の状態)feature/header:ヘッダー修正用ブランチfeature/top-layout:トップページ調整用ブランチ
このように、作業内容ごとにブランチを分けることで、変更管理が明確になります。
ブランチ運用の基礎は以下の記事で詳しく解説しています。
変更を元に戻す方法を知っておく
WordPress制作では、「やはり元の実装に戻したい」という場面が頻繁にあります。
Gitでは、状況に応じて次のような方法があります。
- 未確定の変更を取り消す
- ステージングを解除する
- 過去のコミットを打ち消す
それぞれの違いを理解しておくことで、安心して修正作業を進められます。
GitHubと組み合わせた運用(概要)
GitHubを利用すると、以下のようなメリットがあります。
- リモートにコードをバックアップできる
- 複数環境(ローカル・本番)で履歴を共有できる
- 公開・非公開リポジトリを用途で使い分けられる
GitとGitHubの役割の違いについては、以下の記事が参考になります。
WordPress制作におけるGit活用のポイント
- 小さな変更単位でコミットする
- 作業内容ごとにブランチを分ける
- 不要なファイルはGit管理から除外する
- 「戻せる状態」を常に作っておく
これらを意識することで、Gitは単なる履歴管理ツールではなく、制作を支える安全装置として機能します。
まとめ
Gitは、WordPress制作の規模が小さくても導入する価値があります。
特に、テーマやプラグインを継続的に改善していく場合、履歴管理の有無が作業効率と安全性に大きく影響します。
本記事で紹介した基礎と実践を押さえることで、WordPress制作においてGitを無理なく、確実に活用できるようになります。

