header要素と見出しタグの役割|正しい使い分けとHTML構造の基本

HTMLには、ページ構造を正しく伝えるためのさまざまな要素が用意されています。
その中でも header要素 と 見出しタグ(h1〜h6) は混同されやすく、誤った使い方をすると、文書構造の分かりにくさやSEO・アクセシビリティの低下につながることがあります。
この記事では、header要素と見出しタグそれぞれの役割を整理し、正しい使い分けとHTML構造の基本をわかりやすく解説します。
Contents
header要素とは何か
header要素の基本的な役割
header要素は、セクションやページの導入部分を表すためのHTML要素です。
見出しそのものではなく、「このセクションはここから始まる」というまとまりを示す役割を持っています。
主に次のような情報を含めるために使われます。
- セクションの見出し
- ロゴやサイト名
- ナビゲーションの補助情報
- 日付やメタ情報
header要素は複数使える
header要素は、ページ内に1つだけという制限はありません。articleやsectionなどの中に、それぞれの導入として配置できます。
<article>
<header>
<h2>記事タイトル</h2>
<p>投稿日:2025年1月1日</p>
</header>
<p>本文が続きます。</p>
</article>このように、header要素は構造を補助するための入れ物であり、見出しタグとは役割が異なります。
見出しタグ(h1〜h6)とは何か
見出しタグの役割
見出しタグ(h1〜h6)は、文書の階層構造を示すための要素です。
どの情報が重要で、どの内容がその下位にあたるのかを明確に伝えます。
h1:ページ全体の主題h2:章レベルの見出しh3:節レベルの見出しh4以下:さらに細かい補足
見た目の大きさではなく、意味的な階層が重要です。
見出しタグの正しい基本ルール
見出しタグを使う際は、次の点を意識する必要があります。
- 見出しレベルを飛ばさない(h2の次にh4などは避ける)
- デザイン目的で使わない
- 文書構造を説明できる並びにする
見出しタグの詳しい使い方については、
HTMLの見出しタグ(h1〜h6)の正しい使い方 を解説した記事も参考になります。
header要素と見出しタグの違い
役割の違いを整理
header要素と見出しタグは、役割がまったく異なります。
| 項目 | header要素 | 見出しタグ |
|---|---|---|
| 主な役割 | 導入・まとまりの提示 | 文書構造の階層化 |
| 見出しそのもの | ではない | 見出しそのもの |
| 入れ子 | 可能 | 不可(自己完結) |
| デザイン目的 | 不可 | 不可 |
header要素の中に見出しタグを入れることはありますが、
header要素=見出し ではない点が重要です。
header要素の中に見出しタグを入れる理由
header要素は、セクションの「まとまり」を示します。
その導入として、見出しタグを配置すると、構造が明確になります。
<section>
<header>
<h2>サービス概要</h2>
</header>
<p>サービスの説明文です。</p>
</section>この構成により、「このセクションの主題は何か」を機械にも人にも伝えられます。
よくある誤解と注意点
header要素をデザイン用コンテナにしない
header要素は意味を持つHTML要素です。
単なる装飾やレイアウト調整のために使うと、文書構造が崩れます。
デザイン目的の場合は、divなどの汎用要素を使うのが適切です。
見出しタグを装飾目的で使わない
文字を大きくしたい、太字にしたいといった理由で
見出しタグを使うのは避けるべきです。
見た目の調整はCSSで行い、
見出しタグは意味と構造のために使います。
正しいHTML構造を理解する重要性
header要素と見出しタグを正しく使い分けることで、次のような効果が得られます。
- ページ構造が明確になる
- 検索エンジンに内容が伝わりやすくなる
- スクリーンリーダーなどの支援技術で理解しやすくなる
- 長期的に保守しやすいHTMLになる
HTML全体の構造を改めて確認したい場合は、
HTMLの基本構造とタグの役割 を解説した記事も参考になります。
まとめ
header要素と見出しタグは、似ているようで役割が異なります。
- header要素は「導入・まとまり」を示す
- 見出しタグは「文書の階層構造」を示す
- header要素の中に見出しタグを配置することで、意味が明確になる
- どちらもデザイン目的で使わないことが重要
正しいHTML構造を意識することで、読みやすく、伝わりやすいWebページを構築できます。
基礎を丁寧に押さえることが、品質の高いWeb制作につながります。

